縦書きプラグイン for GIMP2
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このプラグインは縦書き文字をレンダリングします。縦組み文字のレイヤーを作ります。
単に文字を縦に並べるだけではなく、ルビ、縦中横、圏点、約物の詰め処理、濁点の
合成処理、混植、といった日本語特有の組版処理を使うことができます。また、フォント
を独自に解釈しているため、OSがサポートしていなくてもサロゲートペア、異体字
セレクタの文字を出力することができます。
Microsoft Window
コンパイル済みバイナリを入手してください。パッケージ中のtategaki.exeと
gimp20-tategaki.poをインストールします。
tategaki.exeをプラグインフォルダにコピーしてください。GIMPをデフォルトで
インストールした場合は、おそらく C:\Program Files\GIMP 2\lib\gimp\2.0\plug-ins
あたりだと思います。
次に、gimp20-tategaki.poをロケールフォルダにコピーしてください。これも
デフォルトでは C:\Program Files\GIMP 2\share\locale\ja\LC_MESSAGES
あたりだと思います。
Unix/Linux
ソースコードから configure, make, make installしてください。
またはコンパイル済みバイナリからインストールするときは、適当に
lib/gimp/2.0/plug-insにtategakiを、share/locale/ja/LC_MESSAGESにgimp20-tategaki.po
をコピーしてください。
Apple OS X
Finderでアプリケーションを開き、GIMP.appを右クリックして「パッケージの内容を表示」
させます。そしてtategakiを/Applications/GIMP.app/Contents/Resources/lib/gimp/2.0/plug-ins/に、
gimp20-tategaki.poを/Applications/GIMP.app/Contents/Resources/share/lcale/ja/LC_MESSAGES/に
コピーしてください。
<フィルター>/ReddogPlug/Tategaki...から起動してください。
また、初回起動時には、フォントディレクトリを必ず設定してください。
フォントディレクトリが設定されていないと、フォントが使えません。
- フォント
- フォントを選択します。
- フォントサイズ
- フォントサイズと単位を設定します。
- 組方向
- 縦か横か選択します。
- 揃え
- 行の揃え方を選択します。Top, Center, Bottom, Both.
- 約物
- 約物の詰め処理を選択します。次の中から選びます。
ベタ組み約物の詰め処理をしません。フォントの文字幅そのままです。
プロポーショナルフォントの場合は必ずベタ組で組んでください。
全て半角全ての約物を半角扱いにします。
連続処理約物が連続している場合、JISX4051の規格どおりに半角にしたり全角にしたりします。
- 行送り
- 行幅を指定します。
- 字送り
- 文字間隔を設定します。
- カーニング
- プロポーショナルフォントの欧文カーニングをONにします。
- アンチエイリアス
- アンチエイリアスをONにします。
- 縁取り
- GIMPの背景色を使って文字に縁取りをします。0%で縁取りなしです。
文字クラスごとにフォントを設定することができます。
- ルビ変形
- ルビ文字が親文字より長いときに、ルビを平体もしくは長体にして親文字の長さをはみ出さないようにします。
- 最大ルビ変形率
- ルビ変形の変形率の最大を設定します。
ルビコマンド
ルビを打つにはルビコマンドを使います。タグのようなもので親文字とルビ文字、ルビの位置などを指定します。構文は次の通りです。
[ruby 親文字列 ルビ文字列]
引数の説明
- 親文字列
- 本文の文字列です
- ルビ文字列
- ルビの文字列です
使用例
[ruby 京都 きようと]
半角スペースがコマンド、引数文字列の区切りを示します。親文字やルビ文字で半角スペースを使いたいときは、\でエスケープしてください。
ルビコマンド一覧
ruby | rjjeと同じです |
rt | 肩つき |
rc | 中つえ |
rb | 下つき |
rja | 両端そろえ(0:1:0) |
rjj | 1:2:1で肩と下に余白をとる(JIS X 4051) |
ルビ文字が親文字より長い場合に親文字に余白を取るもの。(emptyの"e"がつく。) |
rte | 肩つき |
rce | 中つき |
rbe | 下つき |
rjae | 両端そろえ(0:1:0) |
rjje | 1:2:1で肩と下に余白をとる(JIS X 4051) |
- 自動縦中横
- 半角の、数字の連続と!?の連続を自動的に縦中横にします。
- 自動縦中横の桁数
- 縦中横にする連続する文字の最大数です。これを超えた場合は一文字ずづの縦中横として処理します。
縦中横コマンド
自動縦中横をオフにした場合や、数字以外の文字を縦中横にするには縦中横コマンドを使います。構文は次の通りです。
[yoko 文字列]
[yoko 文字列 変形率]
[yoko 文字列 変形率 揃え方向]
引数の説明
- 文字列
- 本文の文字列です
- 変形率
- 0指定(デフォルト)で全角幅に変形させます。1.0で変形なしです。1.0以下で長体に、以上で平体になります。
- 揃え方向
- t(top), c(center), b(bottom)で行内での配置方向を指定します。
使用例
[yoko km]
[yoko !!!!! 1]
[yoko '90 1 bottom]
圏点は圏点コマンドを使って打ちます。圏点タブのメニューでは圏点コマンドの振舞いを設定します。
- 約物に圏点を付けない
- 括弧や濁点、!などの約物には圏点を打ちません。
- 圏点を揃える
- ルビ付き文字や全角幅をはみ出した縦中横があった場合に圏点の位置を揃えます。
圏点コマンド
圏点はゴマと黒丸の二種類あります。構文は次の通りです。
[dot 文字列]
[goma 文字列]
引数の説明
使用例
[dot 猛犬注意]
[goma 猛猫注意]
長体コマンドを使って、長体・平体を出力できます。
長体コマンド
scaleコマンドを使って、文字を縦長にしたり、横長にしたりします。構文は次の通りです。
[scale 文字列 変形率A]
[scale 文字列 変形率A 変形率B]
引数の説明
- 文字列
- 変形される文字列です。
- 変形率A
- 縦組みの時は横方向、横組みの時は縦方向の変形率です。1で原寸です。0.5で半分です。
- 変形率B
- 縦組みの時は縦方向、横組みの時は横方向の変形率です。省略されたときは変形率Aと同じ値になります。
変形率は縦組みの時と横組みの時で逆になるので注意してください。
使用例
[scale 巨大文字 2]
[scale 長い文字 0.5 1]
実験的なツールを実装しています。現在のところ異体字セレクタやサロゲートペア文字の入力で使うための、UNICODEを直接挿入する機能を付けています。
フォントなどの設定をプリセットに保存・呼び出すことができます。
データはGIMPの初期設定ディレクトリ(.gimp28/tategaki)に保存されます。
- 読み込み
- プリセットを読み込みます。
- 保存
- プリセットを保存します。
- 削除
- プリセットを削除します。
- リスト更新
- プリセットリストを更新します。
FontDirタブより、使用するフォントディレクトリを設定します。
何も設定されていない場合は、フォントを選ぶことができません。
設定後、縦書きプラグインを再起動してください。
- 変更
- 縦書きプラグインで作成したレイヤーを選択して、このボタンを押すことで
変更モードに入り、作成した文字を再度編集することができます。
- 適用
- 変更モード時に、変更内容を適用して、変更モードを抜けます。
- キャンセル
- 変更モード時に、変更内容を適用しないで、変更モードを抜けます。
- 作成
- 新規に新しいレイヤーを作って縦書き文字を出力します。
縦書きプラグインで作成したレイヤーは、変更ボタンを押すことで再度
内容を変更することができます。
- 閉じる
- ダイアログを閉じます。
- 詳細を隠す...
- パラメータタブを隠します。画面を広く使いたいときに
- 常に前面
- ダイアログが後ろに隠れてしまわないようにします。
OHTSUKA, Yoshio <ohtsuka.yoshio@gmail.com>